新型コロナ感染 情報集



その3 コロナウイルスが高齢者に与えた影響について

参考:感染予防と身体活動(国立長寿医療研究センター)
https://www.ncgg.go.jp/hospital/documents/kansenyobo.pdf

2019年12月に中国武漢で発生したとされるCOVID-19の感染が拡大しており、2020年3月には世界保健機関(WHO) よりパンデミック宣言が、4月には日本政府により緊急事態宣言が発出されました。 • 高齢者が新型コロナウイルスに感染すると、より重症化しやすいことがわかっており、様々な学会・団体から声明が出されています。 • 感染予防のためには、外出を控えることが重要ですが、高齢者の場合、身体活動量が減少することで転倒・骨折しやすくなった り、要介護状態に至りやすくなります。つまり、感染予防と身体活動の維持の両者のバランスを適正に保つことが重要です。 • 東日本大震災の被災地域では、震災後に要介護認定者数が増加したことが報告されています。この要因として、身体活動量や 社会的交流の減少が考えられています。 • COVID-19の感染者数は局所的偏りがありますが、生活への影響は全国的に拡大しており、高齢者の身体活動量が大幅に減 少しているのであれば、COVID-19収束後に全国的な要介護認定者数増加が予想されます。 • そこで、私達の研究グループでは、2020年4月23-27日(COVID-19の感染拡大期間中)に、インターネット調査によって、 高齢者の身体活動についての調査を行いました。

調査方法
  • 東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫、福岡に在住の65-84歳の高齢者1600名に対して、インターネットによる 調査を行いました。
  • 平均年齢は74±6歳、男女比は1:1(500名ずつ)でした。 調査内容 • 2020年1月(COVID-19感染拡大前)と4月(COVID-19感染拡大期間中)のそれぞれにおける身体活動量 • 運動実施状況(どのような運動をしているか、どのような情報を用いて運動しているか、誰と運動しているか)
  • 基本チェックリストを用いて、8点以上をフレイル、4-7点をプレフレイル、3点以下をロバストと定義

結果
  • COVID-19の感染拡大前後で、1週間あたりの身体活動時間は約60分(約3割)も減少 していました。 この傾向は、フレイルやロバストに関係なく、どのような機能レベルにも共通していました。
  • COVID-19の感染が拡大する中で、運動を意識的に実施できていた高齢者は50%でした。 運動の種類としては、ウォ―キングと自宅内での運動が最も多く、いずれも一人で実施されてい る方が多かったです。 参考にした資料は、以前より知っていた知識を基に実施されている方が多く、次いでTVやイン ターネットの情報となっていました。
  • 運動が継続できず、身体活動量が減少している方が非常に多く、COVID-19収束後には要 介護高齢者が増加する可能性があります。 TVやインターネットを通じて、屋内での運動や自宅周辺でのウォ―キングを呼び掛けていくことが必要