プラザ KWA


No. 15-011
   
みんなで歩こう  「秘境大河内路」  増田 豊 (会員No.791 掛川市)

  「久しぶりだね」、中には「本当に久しぶりだね」と声を掛けてくれた。
 天浜線の遠州森駅は、びっくりする程多くの人たちがいた。今日はすごい人だ、久しぶりに例会へ参加したが、こんなに多くなったとは・・・。だが、その謎はすぐ解けた。多くの人は、マップを受け取りそれを見ながら、三々五々歩いて行った。
 今年初めての例会であったので「久しぶり~・・」と声を掛けられ、サボっていたわけではないが、複雑だった。が、嬉しかった。
 何時ものように出発式が始まると、久しぶりの参加のことは忘れ、今日のコース説明を聞きながら、頭に描いた。懐かしい山田屋さん、幽玄の大日山金剛院への長い参道、そしてゴールの家山への東海自然歩道。
 スタートと同時の人数確認が始まり、その中に紛れて、歩き始めた。
 先頭の歩きはいつもながらの、いきなりの高速歩行(と、思うほどのブランクがあった)に遅れてはなるまいと、頑張った。だが、先頭からは徐々に離された。緩やかな登りではどうすることもできなく、周りの景色や新緑の森に助けられ、ただひたすら、夢中で歩いた。
 自分にとって、このコースは掛川歩こう会で最初に歩いた「駿河路十里春一番」に匹敵する心に残るコースであり、最近「家山」がゴールとなることがなかったので、今年の例会の中でも「歩きたいコース」の筆頭であった。 
 やがて、八幡神社跡の小休止となり、そこから先の曲尾林道三叉路までフリーウォークとなり、歩き始めたらNさんが声を掛けてきた。「久しぶりですね」「今年初めてです」「実はお伝えしたいことがあって、昨年12月に鎌倉で、日本ウォーキング協会の方と会い、その方の名前をはっきり覚えていないですが、その方が増田さんを知っていて、大変お世話になったと言っていました」とのことだった。Nさんが掛川歩こう会の会員であることが分かり、伝言を託されたとのことだった。Nさんとの歩きながらの話であったが、その人は西田さんとすぐに分かった。
 Nさんが鎌倉で西田さんと偶然に会い、ウォーカー仲間としての会話の中から、共通の人間「増田」の存在が縁となり、初対面でありながら、お二人は何年来の友人のように「談笑」をされたのでは、と勝手な想像をした。それはともかく、Nさんが、その時の伝言を、しかも4か月も忘れずに思っていてくれたこと、西田さんにも、お二人に恐縮である。フリーウォークはゴールとなり、何時もの歩きに戻った。
 緩やかな上りであったが、芽吹き始めたブナの原生林の新緑の道を快適に歩いた。やがて、山田屋さんの番犬が、以前と変わらぬ元気で我々を歓迎してくれた。山田屋さんの前で、ブルーシートと漬物の差し入れを頂きながらの昼食が定番だったが、それを知る人も少なくなってきた。今となっては懐かしい思い出となった。
 金剛院へは思いがけなく、旧参道を歩くことが出来た。役員有志の川の中へ入っての「橋普請」のお陰である。やがて、満開の色とりどりの石楠花に迎えられ、長い参道の疲れが癒された。そして、東海自然歩道を家山駅へと向かった。
 このコースは今年25回目を数えた。ゴール後の不便さに人気が薄れていくが、掛川歩こう会の原点を知る唯一のコースである。不便ではあっても「家山」まで歩くことに絶対的な価値がある、と私は思う。掛川歩こう会が存続する限り、不滅のコースとして、受け継いで頂きたい。
 かって、前泊して、このコースを「楽しみながら」歩いていた方がいた。「風の色」は何色だっただろうか。今度会ったら聞いてみよう。

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