プラザ KWA


 No. 15-021  「西国三十三所 三十二所を歩き終える・・・残すは岩間寺のみ
                                 
                                             
鈴木 一正  (会員No. 371、浜松市)


 昨年3月からスタートした西国観音巡礼。通算11回のアットバットで南紀を除き、青春18切符フル利用の旅を貫いた。あと一回のアットバットを残したのは、時間の都合ばかりではない。憧れでもある初夏の京都をじっくり歩きたいきっかけを残しておきたい。己の我儘・贅沢からだ。逆に心をのぞかれているようで少々窮屈にも思えてくる。しかしただ時空と歴史を何度も味わっていたい。醸す雰囲気が実にたまらない。

 お寺のサクラは小高い山の階段に沿って植えられ、一本の筋のように見える。淡いピンクは松や竹林などの緑に挟まれ、ひときわ目立った。陽気に誘われ、ひととき花見をした。階段を上りながら仰ぎ見る満開の桜は見事だった。頭上を覆い、花見の人々を歓迎しているようにも映った。日本人の感性に寄り添う花だと改めて思う。大いに桜花爛漫を楽しめる。醍醐寺で一斉に咲き乱れるソメイヨシノには、息をのむような美しさがあるが、営々と歴史を刻む野の一本桜も味わい深い。樹齢を重ね,老いを感じさせる幹から若々しい枝が伸び、薄紅色の小さな花をつけている。生命の力強さを感じとれる。たまには一本桜や桜の古木を訪ね、その歴史に思いをはせ、凛とした美しさに触れることも趣きがある。手入れの行き届いた寺の緑は下草まで降り注ぐ日の光に、より鮮やかさを増し、体の中を心地よく染めていくような感じさえする。若葉が草木の息吹を伝え,陽光が近ずく夏の気配を漂わせ始める。何となく気分が明るく、前向きになる。自然の生気を凝縮して味わうようなぜいたくさがある。 

 インプレッションが強く残る観音は、宝厳寺(竹生島)・善峯寺(向日市)・園教寺(姫路市)を挙げたい。ルートポジション調整やや難の観音は,松尾寺(舞鶴市)・槇尾寺(和泉市)・成相寺(天橋立)か・・・ユニークな観音として中山寺〈宝塚市)山門くぐり抜けると階段に二基のエスカレーター(上下線)がある。朝から常時稼働している。確かに参拝者が多い。住民に案内していただいたが、大変な金持ちの寺のようだ。最近宝塚歌劇団も全員揃って参拝したと聞いた。全てピカピカである。

 この7月には青春18切符利用で、西国巡礼最後の旅が始まる。岩間寺(大津市)が33所目。残る番外の2所 元慶寺(京都)・花山院(三田市)も時間を惜しまず歩いて、じっくり最後を締めくくりたい

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